「戦争童話集」野坂昭如著
・・・
焼跡に始まる青春の喪失と開放の記憶。戦後を放浪し続ける著者が、戦争の悲惨な極限に生まれた非現実の愛とその終わりを<8月15日>に集約して描く万人のための、鎮魂の童話集。
・・・
と本の表紙にかかれているけれど、それはそうですが15篇の短編はどれも大変美しく、読むと静かな感動と鎮魂の思いが心に波打ってくる小説です。
15篇の書き出しはいずれも、昭和二十年八月十五日の1行から始まります。
あの悲惨な戦争の渦に現状がわからなまま巻き込まれた、小さな小さな幸せを守りつつ死んでいった(殺されていった)人々子供や動物の物語が書かれています。
大人も子供も万人が読み心に刻み込むべき感動の小説でした。
読んでください。