バーンスタイン

music.jpg「バーンスタイン」愛をわかちあおう ひのまどか著
ミュージカル「ウエストサイド物語」を、私の世代の人では知らない人はいないと思います。
作曲がレナード・バーンスタインによることを知る人は少しへり、バーンスタインが天才的な名指揮者であり名作曲家であり名ピアニストであったことを知る人は、さらに少ないのではないでしょうか?
と、自分の常識に合わせて発言するのもなんだと思いますが、私はウエストサイド物語がバーンスタイン作曲によることを知っていましたが、この本を読むまで、彼がどんなに偉大な音楽家であったのか知りませんでした。
ウエストサイド物語の舞台はニューヨークの下町ウエストサイドで、そこで繰り広げられる白人とプエルトリコ人の縄張り争いの中に生まれたロミオとジュリエットのような悲恋がテーマです。
ブロードウェイでの初演(1954年)を喝采のうちに終え翌日のニューヨークタイムズでは
「このミュージカルは大都会が持つ緊迫感、不安、けばけばしさが感じ取れる。バーンスタインの音楽は強烈なリズムと不安で息が詰まるようなメロディから、美しい詩情に溢れる歌まで幅広く、極めて印象的である。舞台はスピード感と爆発するようなエネルギーに満ちている。これはドラマと音楽とダンスと舞台の全てが見事に溶け合い一体となったものであり、アメリカのミュージカル史を変える画期的な作品である。・・・云々」(本文147ページから抜粋)
と絶賛されたそうです。
その後1961年、ジョージ・チャキリスとナタリー・ウッドの主演で映画化され、多感なお年頃だった私は、もう夢見るごとく夢中になり4回も映画館に足を運んだのです。
なんと著者のひのまどかさんは、1964年ブロードウェイが総勢49人のキャストを引き連れて初来日した時、オーケストラの一員として、日生劇場でウエストサイドを弾いておられたという!凄い!
とりたててクラシック音楽ファンでない人々をここまで引き込むのは、バーンスタインの音楽には彼の類まれな音楽的才能のベースに、彼の生き様が深く反映されていて、どんな境遇の人の心にも響くものがあるのではないかと思います。
この本を読んで、ウエストサイド物語は彼の持つ音楽のごく1部分であることが分かりました。
もっと彼の作品や彼が指揮する交響曲に耳を傾け彼からのメッセージを受けたいと思いました。

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