「残り2年」の生き方、考え方 関本剛 著
著者は43歳 家族は妻と9歳の長女と5歳の長男。1000人以上の末期癌患者を訪問介護で看取った医師。
去年2019年9月。肺がん4ステージ、脳への多発転移がみつかった。余命2年。「もうこの病気は治らない。それでも僕は仕事を続ける。」と、緩和ケア医師(神戸市東灘区、関本クリニック院長)として、多くの医師に、患者さんに、家族に、自分が患者になってしまった医師の経験を伝えておくためにペンをとり、抗がん剤治療をされながら書かれた手記です。
衝撃でした。私も丁度同じ頃、癌を取り去る手術を受け、今はリハビリに頑張っている身で他人事と思われず読みました。
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、、、これまでの、「治す側」と「治される側」という対面の関係は、ホスピスにおいて成立しない。むしろ医師は患者の横にたち、寄り添う伴走者にならなくてはならない。(中略)。私が癌になったあと、それまで気難しかった印象の患者さんたちが、心を開いてくれるという現象が起きた。その理由は、並走しているつもりでそれが出来ていなかった私が、患者さんたちと真に並走する関係となれたこともあったのだろう。、、、
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関本医師は中高は神戸の六甲学院で学ばれ孫と同窓なこと、カトリック信者、六甲教会、と身近に感じられ、感慨深さもひとしおでした。
最後に書かれた、この8月に六甲学院高校3年生に語られた講話は胸に響きました。人がみな辿る死に向き合う生き方を、若い高校生は真剣に聞きこれからの人生の指針となったことでしょう。
余命2年と言われながら10年も命をながらえた方の話もよく聞きます。2年と言わずずっと緩和ケア医師として頑張って欲しいとお祈りしました。