「ねじまき鳥クロニクル」村上春樹著
舞台は1984年の冬。あ、そういえば最近出版された村上春樹の話題の本題が「1Q84」だから、著者にとって1984年は特別の年なのだろうか?1Q84をまだ読んでいないので分かりません。
第一部・泥棒かささぎ編 第2部・予言する鳥編 第3部・鳥刺し男編からなる文庫本3冊の長編小説です。
主人公は岡田トオル。彼は会社を辞め日々家事を営む有能な主夫で、妻の「クミコ」は雑編集者として働くキャリアウーマンです。それなりに平穏に過ぎていく日々でありました。ところがある日、飼い猫が失跡し、トオルは毎日飼い猫を探し求めるのですが、そのうち妻のクミコまでもが失踪し、色々不可思議な人物や事件に遭遇し夢だか現実だか分からない世界に巻き込まれ妖しい生活が始まります。
そのクミコを探し取り返すまでのストーリーと言えるのですが、ストーリーより著者の訴えたいテーマが、現実と夢(希望の夢でなく眠って見る夢)や妄想をからませて書かれています。村上春樹の小説としては「初めて戦争等の巨大な暴力を本格的に扱っている」と言われていて、妻の失踪を解き明かすストーリーとしては、ノモンハン事件や日ソ兵の残虐な行為など、あまりにも多い複線に戸惑い、ややこしく重い世界観を理解するには、私は未熟者であることが分かりました。でも登場人物はそれぞれ奇抜で惹かれるものがあり面白く読みました。
「1Q84」がBook Offに 現れるのを待っているのですが、早く読んでみたいと思いました。
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