きつねのはなし

「きつねのはなし」森見登美彦著
きつねのはなし:古道具屋から品物を託された青年が訪れた奇妙な屋敷。彼はそこで魔に魅入られたのか。美しく怖ろしくて愛おしい、漆黒の京都奇譚集。
小説の舞台を読者がよく知っている場所かどうかで随分面白さがちがうと思う。
「きつねのはなし」の舞台は京都で、京都の中でも私が生まれ育った場所近辺での話で、特別面白く読みました。
現実と妄想とが織り成す妖しい話。
京阪電車、鴨川、荒神橋、出町柳、修学院、北白川(私の生家があります。)、吉田山(京大の横)、浄土寺、鹿ケ谷(ここに母校ノートルダム女学院があります。)、南禅寺、疎水、蹴上、、、。
中でも吉田神社の身も凍るような寒い節分のおどろおどろしい情景は今でもはっきり思い出すことが出来ます。
きつねのお面屋さんやらの出店もあったし、見世物小屋に蛇女とかがいるとかでドキドキしながら前を通ったものです。
‘桜の木の下には死体が埋まっている’とよく言われるけれど、京都って確かに雅の奥に秘められた妖しい雰囲気の漂う街ですねえ。祇園の舞妓さんたちの中にもそんな感じがあるし、、。
京都に興味のある方はそんな世界をのぞいてみてください。

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