「確かに生きる」 野口健著
七大陸最高峰世界最年少登頂記録を樹立した登山家・野口健。
彼はエリート外交官を父にエジプト人を母に生まれ、波乱万丈の初年時代をすごす。
はげしいイジメをうけ小6で親の離婚。成績不良の落ちこぼれ、高校の時暴力沙汰を起こして名門校を退学。
そんな彼が、「ちょっとこの生き方はヤバイんじゃないか」と考え始めていた矢先に、冒険家植村直己の手記に出会い感動し、一念発起アルプス最高峰に挑む。
それからの彼の生き方は筋金入りである。
エベレストに最年少として登頂した野口は、美しい情景はさることながら、ベースキャンプに残されたゴミの山に仰天する。中でも日本隊が捨てていったゴミが目立ち外国隊から蔑視されていることにショックをうけ、山の清掃活動に目覚める。エヴェレストで一緒に行動し遭難死したネパール人シェルパの遺児達のために学校を建てる。
彼は不言実行の人です。というか今地球に何が大切で何をなすべきかの自分の意見をしっかり持ち発表し実行する。
口先だけで立派なことを言う人は多いけれど、なおかつ実行する人はそうはいない。
本書は、第一章:自分の身は自分で守れ。 第2章:落ちこぼれたままでいいわけじゃない。 第3章:道はかならずある。という項目からなり、彼の命を懸けた実体験から詳しく述べられている。
説得力があり文章も読みやすく、生きる目的が分からず彷徨っている青少年に、人生を「確かに生きる」ための指南書となるだろう。
野口健さんは、私がもっとも尊敬する人のうちの一人です。
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