共依存・からめとる愛 信田さよ子 著
最近、認知症になった妻の介護のために、全てを投げ出し介護に尽くす夫の姿が、美談となって話題になることがある。逆に妻が夫の介護をする姿は当たり前でニュースにもならないが。
スクリーンに写し出された献身的に介護する夫は、なぜが生々とし今や生きがいとなって第2の人生を楽しんでいるがごときである。世話をされる妻は認知症という病気のせいもあるかもしれないけれど、無表情でありがたがっている気配は感じられない。
長年,家族援助してきたベテランカウンセラーである著者が解明する、「愛という名のもとに隠れた支配・共依存を解明する!」というキャッチフレーズに興味を持ち取り寄せた。
アルコール依存症の夫(妻)、アダルトチルドレン、ひきこもり、子ども虐待。「苦しいけれど離れられない」という、からめとられる愛、あるいは、からめとる愛。
あまりにも深い人間の深層心理の解明に戸惑ってしまった。それは私自身、自己が壊れてしまうほど苦しい人間関係の体験をしていないからともいえる。そのような環境の中でもがいておられるような知人は何人かおられる。その苦しみに経験もない私が一方的に同情したり理解したりは決して出来ないということをしっかり認識させられた。
飛躍しているかもしれないが、私がネパールの人々と関わりを持つときに、<愛という名のもとに隠れた支配>に陥ってはいないか?又、対応する人々の中に<離れられない依存性>を植え込んではいないか?という警告として勉強させられた。
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