みぞれ

「みぞれ」 重松清 著

重松氏の著作では「疾走」と「卒業」を紹介しました。

とても感動した本でした。

今回紹介するのは11作からなる短編集です。

どれもとても面白く読みました。

重松清の本のテーマの根底にはどれも「話したっけ、俺の知り合いにこんな奴がいるんだこれけど、、、」というお話で成り立っている。

たとえば「ちびまるこちゃん」「ドラえもんののびた」がもし中学校高校生になったときの家族の情景を想像して、、、。いじめ問題、恋愛問題、親の仕事の失敗などの喜非劇が深刻だけれどありふれた問題が物語となるんじゃないかと思うような、他人事ではないなあと、ぐいぐい惹きつけられていくといった感じ、、。

今回の11作もどれも興味深く感動を呼ぶ物語でしたが本の表題になった「しぐれ」を紹介します。

晩年を迎えた両親との付き合いに、戸惑い、複雑な思いを抱く43歳の息子の話である。

 

・・・・・・

父は年老いた。

母も年老いた。

そして二人はいずれーうんと遠い「未来」や「将来」ではないうちに、僕の前から永遠に姿を消してしまう。

いつの頃からだろう、僕は両親の死を冷静に見据えるようになっていた。

・・・・

 

主人公の親は75歳ぐらいで、私の場合と比べると両親も息子も5歳ぐらい若い。

なのに両親との付き合いに戸惑いながらも真剣に考えている。

私の息子たちも考えているんだろうか?そんな素振りはないなあ。

私の場合は私一人が「私の最期」を考えているが、夫も息子も考えているように見えない。が本当のところはどうなんだろうと、考えさせられる深い本です。

最後には必ず重松氏独特の感動のオチが用意されていて胸にじ~ん目がウルウルとなります。

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