ザビエルの夢を紡ぐ

「ザビエルの夢を紡ぐ」 郭南燕 著

前回紹介した「守教」をあわせて紹介したい本です。

<黒斜め太字は本書より抜粋>

1865年3月17日、潜伏キリシタンがはじめて現れ、世界の「奇跡」と思われたという。

しかし、この「奇跡」はザビエルによって300年前に予言されていた。ザビエルは言っていた。「日本人だけがきわめて困難な状況のもとでも、信仰を長く持続してゆくことが出来る国民だ」と。

1873年に禁教高札が撤廃されてから、宣教師が相次いで日本に入国し、宣教、教育、福祉、医療に従事しながら、短期間に習得した日本語による著述活動をも盛んに行った。21世紀の今日まで、数万人の来日宣教師のうち、約300人が非母語である日本語を用いて、およそ3000点の著書を執筆し、刊行してきた。

この本では、ザビエルの予言へ呼応する近代宣教師たちの苦労を苦と思わない行動を著作を紹介しながら書かれている。

現代日本の知識人すべてが宣教師に深く影響されたといっても過言ではないと知りました。

ざっと書くだけで、すみません。時代が前後しますが、鶴見俊輔、田中耕太朗、司馬遼太郎、森鴎外、伊藤博文、大佛次郎、遠藤周作、三浦朱門、須賀敦子、井上やすし、渋沢栄一、中原中也、石牟礼道子、、その他いっぱいの著名人。

そして、私達世代のカトリック信徒誰もがが知っている著名な神父として4名、ビリオン神父、カンドウ神父、ホイヴェルス神父、ネラン神父について、詳しく書かれている。

本書は、日本人とともに日本文化を作り上げ、日本に自らの時間、知識、能力、情熱、生命を捧げたザビエルそして4人の宣教師の功績を整理することによって、日本文化に存在する「国際色」を確認し、「日本語文学」という宝庫を発掘することを目的とする。(序章より)

カトリックのミッションスクールを母校として育った私にとって、とても感慨深いものだった。

朝日新聞の書評で知り4000円で高いなと躊躇したけれど買ってよかった。これだけの資料を集め纏められた郭さん。すごいな。4000円は安すぎるぐらい。

皆様ぜひ読んでください。

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