「ホテル・アイリス」小川洋子著
ホテル・アイリスを読むのを楽しみにしていると公表してしまったから感想文を書かねばなりません。
私には受け入れられない小説でした。
エログロ暴力小説はダメで受け入れられないのですが、ホテル・アイリスもなんというかDV小説です。
と言ったら著者にちゃんと読んで下さいと怒られるかもしれないけれど気持ち悪くてちゃんと読めなかった。
これは「あなたに読ませたくない1冊」です。
ホテル・アイリスという海辺のリゾートに祖父が作ったホテルを母親が経営して、厳しくしつけられながらホテルを手伝っている17歳の少女の私が主人公です。
お客として来た初老の老人の声に惹かれて、誘われるまま彼の住む小島に連絡船にのって付いていきます。
そして破廉恥なDVを受けるのですが、怖いと思いながら恍惚感を持って彼から離れられなくなるのです。
確かに小川洋子独特のペンの運び方で最後まで読みはしました。
女流小説家の川上弘美さんが小川洋子の小説で一番好きな長編と書いてられました。川上弘美さんも小川洋子さんも芥川賞選考委員をされています。
小説家って凄いなあとつくづく思いました。自分が体験していないことでも想像の力で言葉にして描写出来るんですね。
小川洋子さんが読者に伝えたかったメッセージは何なのか?想像出来ないわけではないけれど他の形で伝えてほしかった。
この本は、友達には読ませたくない本でした。読まないでね。
しばらく小川洋子さんの本から離れます。
私も同じ感想を持ちました。
「博士が愛した数式」等々、小川洋子さんの作品は独特の透明感とやさしい旋律があって、読んでいるとずっとその世界にいたいような感覚に捕われるのに、
おっしゃるとおり、その期待をわざと外すような毒のこもった作品も少なくはないですね。この作品がそうだと感じました。
それにしても、「読まないでね」の言葉には笑ってしまいましたが。
「読まないでね」と書いたのに読んだのね(笑)!
感想に同感してくださってよかったです。
いえいえ。
読まないでと言われるだいぶ前に読んでいました。笑