日本童謡集 与田準一編 岩波文庫
近所の児童書専門店の店主さんと話が盛り上がり、最後に薦められて買いました。
童謡童話雑誌「赤い鳥」の創刊(大正7年)から昭和20年の終戦に至る30年間に発表された創作童謡の中から300余篇を選び編纂された本です。
私が知っていて一番古い童謡は、北原白秋作詞「雨」。大正7年9月の作だそうです。
私が生まれる25年も前の歌です。
♪雨がふります 雨が降る
遊びにゆきたし 傘はなし
紅緒の木履(カッコ)も 緒が切れた・・・♪
知らなかった。そんなに古い歌だなんて。小学校の頃、否、大人になってからも雨が降ると雨を見ながら唄ったものだ。
大正8年10月の清水かつら作詞「靴がなる」
♪お手て つないで 野道をゆけば
みんな 可愛い 小鳥になって
唄をうたえば 靴がなる
晴れたみ空に 靴がなる・・・♪
この童謡は、お遊戯も知っています。替え歌も、、。
♪お手テンプラ つないデコチャン 野道をゆけバリカン、、♪
7?8歳の頃、大きな声でしっかり唄っていたのを覚えています。何処で誰からおそわったのかしら?
昭和7年10月の島田浅一作詞「乳を飲ませに」
♪冷たい 雨の 降る原を、 弟おぶって 行きました。お乳飲ませに 行きました。
冬の カタバミ 咲いていた、小さな 溝を 超える時、足駄の 鼻緒が 切れました。
紐を 捜して いるうちに、 工場で ポーが 鳴りました。3時のポーが 鳴りました。
3時の 休み、 15分、 母さん 待って いらっしゃる、 お乳 はらして いらっしゃる。
鼻緒すげるも じれたくて、私は はだしに なりました。
はだしで 急いで 行きました。♪
この唄を知りませんでしたが、今のネパールの田舎のまずしい子供の姿がだぶりました。
「母さん 待って いらっしゃる。」という敬語の言い回しかたが なんともいえない、愛情と可憐さを呼ぶ。
この本には美しい日本の情景と美しい言葉が、溢れています。
あなたの本棚にも収めてほしいな。
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