日本一小さな航空会社の大きな奇跡の物語

DSCN0549【日本一小さな航空会社の大きな奇跡の物語 】 奥島透著 ダイヤモンド社

この本は、日本一小さいと言われている航空会社「天草エアライン」を、どん底から救い上げた前社長奥島透さんが書かれた復興ドキュメントです。

3年前の秋のこと。友人から「従兄が日本航空をリタイヤした後天草エアラインの社長をひきうけ、なんだか傾いているらしい会社を復興するというので頑張っているらしいのよ。天草に一緒に行かない ?」と誘われました。

天草は天草四郎などのキリシタン史に関心があり数回行っているけれど、イルカウオッチングというのを一度体験したかったので「行きたい行きたい」と伊丹から、可愛いイルカが装飾された双発機に乗り込みました。

航空スタッフの方々は皆さん大変親切で、天草空港には奥島社長じきじきのお迎えがあり、恐縮しながらもすっかり甘えてしまいました。レンタカーやイルカウオッチングの漁船の手配もしてくださりダイナミックなイルカの群れを目の当たりにみて大興奮しました。また、中でも私が資料から見つけてきたキリシタンの「ペーの墓」に行きたいというと、街の外れの藪の中にあるペーの墓石群のありかを見つけて仕事の合間を縫って案内してくださったり、私の不注意からホテルの庭の蔦で覆われた地面に落とした指輪を支配人とともに探し見つけ出してくださったのには奇跡としか言えないものでした。

これらのご親切は友人の従兄ということからの特別のご配慮からかと思っていたのですが、この本を読んで、奥島透さまご自身のご人格とわかりました。

苦境に陥っていた天草航空では、社長自らが率先して掃除などの雑用から取り組まれ、日航時代から培われた人脈、文化人との交流を大切にされて、経営者として持ち前の知恵とリノベーション力を発揮された結果が奇跡の復興に結びついたのでしょう。

最近話題になり人気を呼んだ「下町ロケット」の話も面白かったけれど、天草エアラインの復興のドキュメントはそれを遥かに凌ぐ手に汗握る面白さでした。
天草出身の演出家小山薫堂さんの協力もあったようですので、ドラマ化されれば当たると思います。

この本を読むと天草エアライン「みぞか号」に乗って天草に行きたくなるに違いありません。ぜひ読んでください。

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