みんな彗星を見ていた

suisei
「みんな彗星を見ていた」 私的キリシタン探訪記 星野博美著

2008年7月3日の本欄で、4少年の天正遣欧使節「クワトロラガツイ」若桑みどり著を紹介し、何人もの友人も読んでくださり、感動を熱っぽく語り合ったことがある。

今日紹介したい「みんな彗星を見ていた」は、星野博美さんが書かれた、同じく400年前の日本で起こった数万人の殉教者をめぐる時代の真相を求める探求の旅の本である。

背景、登場人物もクワトロラガッツイと同じだが、キリシタン迫害史についての二人の時代を探求する視点や文体も違うので大変興味深く夢中になって読んだ。
 
幕府のキリシタン迫害、殉教についての日本での資料が極端に少なく、日本に布教に来ていた外国人神父(パードレ)の本部への手紙や報告書を掘り下げ参考にされている。

1549年にイエズス会のフランシスコ・ザビエルが鹿児島に上陸しキリスト教伝来の歴史が始まり、4少年はイエズス会所属のため「クアトロラガッツイ」はイエズス会パードレによる資料からの視点に重きを置かれているようだが、「みんな彗星をみていた」の方は、別のカトリック修道会の宣教師からの資料からの視点も多く、修道会同士の軋轢や事情も描かれて、「真の史実は神のみが知る」というか、自分が勉強した歴史書から史実を軽々しく信じこむというのは恥ずかしいなと思ったことでした。

キリシタンに関心ある方にとっては必読の本です。是非読んでください。

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