「受験のシンデレラ」 和田秀樹 著 小学館文庫
主人公の卒業した学校が、ウチの近所にある全国1の東大進学校「灘校」で、映画化もされ話題になっているこの本を友だちが面白かったというので読んでみた。
主人公五十嵐は灘校から現役東大の医学部に進学したのだが医者にはならずに東大進学塾を立ち上げ「受験界のカリスマ」と呼ばれ莫大な富も名声も手にしていた。しかし親友の医師からガンで余命1年半と宣告を受ける。
そんな時高校を中退し学力もなく荒んだ生活をしている少女に偶然出会うことになり、残りの人生で彼のあらゆるテクニックを駆使して彼女を東京大学に合格させようと決心する。
そして2年。見事少女を東大合格に導き命を終える。
この本は、プロ野球選手を目指す「巨人の星」のような根性物、又は究極のゴルフ上達方法というようなハウツーものと同列のものだと思った。
この本では目指すものがプロのスポーツ選手ではなく東大合格であるのですが、目的達成の為ののめり込みようや技の取得方法はスポーツのトレーニングも受験勉強も同じなんですね。
東大を目指し進学校(塾)で勉強勉強に明け暮れるのと、プロサッカー選手を目指しスポーツ推進校とかでサッカーに明け暮れて過ごすのとなんら変わりがないんだと気付かされた。
孫にはプロの選手になるより楽しくスポーツをさせたいと思うし、東大でなくても身の丈に合った大学が良いと思うし、それは世間一般の人の考えと思うのですが、この本がベストセラーになった理由は何なんでしょうか?
目的達成の過程で学ぶべき精神的葛藤のようなものもありますが、目的が私にはあまり縁がないので役に立たない本でした。
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