南国港町おばちゃん信金

「南国港町おばちゃん信金」原康子著 新評論社
「支援」って何?”おまけ組”共生コミュニティの造り方

本書は国際協力NGO:認定NPO法人ムラのミライ(旧称ソムニードから改称)の一つのプロジェクトであるところの、インドのスラムに住む女性たちを支えながら、彼女らの自立を目指して信用金庫を立ち上げ10年がかりで軌道にのせるまでの原康子さんの奮闘記です。

私がソムニードに関心を持ったのは、2007年の朝日新聞のフロントランナーにソムニード代表の和田信明さんの記事に魅せられた時からのことです。

どこに感銘をうけたかというと、ソムニードの活動が基盤に置くのは、「住民自らの<気付き>であり、住民はどのような暮らしを望み、どのように生活を変えたいのか、何が問題で、解決策は何かを住民自らが考え、やる気を起こすことの手助けをする」ということです。

原さんはムラのミライ(旧称ソムニード)のスタッフとして、気温40度湿度80%、壁を真っ黒にするハエ、糞尿、生ごみあふれるインドのスラムに身を置きながら活動されます。時には「なんで私はこんな所にいるんだろう?」と思いながら、自分が持つ<手っ取り早く援助をしたい>という上から目線にひきずられ、反省し猛進する姿にはドキドキハラハラしながら目が話せません。

大変苦労の多い活動報告ではあるものの、おばちゃんたちの会話はすべて暖かい岐阜の方弁に翻訳され、ウイットに富んだ文章で、各章全てにオチがあって楽しい。

軽く読めるのに内容はとても深い。

ムラのミライの理念はボランティア活動にだけではなく、育児や教育すべてにあてはまるものです。
原さんは「援助をしない技術」でおばちゃん達を育て、共生コミュニティを作りたいとおっしゃる。

ラリグランスクラブの活動もそのようにしたいといつも思っているけれど、言うはやさしで悩むばかりであります。

この本はボランティア活動をしていると胸を張っておっしゃっている何万人の人全てが読むべき本です。

このブログを読んでくださった方。私がしたように本屋さんで取り寄せてもらって買ってください。絶対に後悔しません。感動します。

カテゴリー: ノンフィクション パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です