深泥丘奇談

「深泥丘奇談」  綾辻行人著 メディアファクトリー発行
新聞で紹介されたのを見てすぐ買いました。
京都に私が子どもの頃からよく知っている今でも独特の風情を残している深泥池(ミドロガイケ)というところがあり、その近辺で起こるシュールなミステリーというのが面白そう、、と思ったからです。
帯には、<作家が住まう“奇妙な京都”を舞台に、せめぎあう日常と超常、くりかえす怪異と忘却、、、。
読む者にも奇妙な眩うん感をもたさずにはおられない、たぐい稀なる怪談絵巻。>とあります。
まず本の装丁が凝っていて素敵、イラストが何ともいえない雰囲気をかもし出す墨絵でしかも可愛い。
こわ?い話ではあるけれどユーモアがたっぷり。
深泥池が深泥丘。比叡山が紅叡山。五山の送り火の大文字山が人文字山。怪しい病院が舞台になっているが、私はあの辺に、今では差別用語で口に出来ないが<気狂い病院>とヒソヒソ言っていた病院が昔あったことも知っている。
つまり京都のあの辺のことを知っている読者は倍は楽しめます。
それぞれ関連させながらの短編9編からなりますが、サムザムシという話が一番面白かった。
これから読む人のために内容は言いませんが虫歯のムシがヒント。
綾辻行人という作家を知らなかったけれどファンになりました。他の本も読んでみたい。

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深泥丘奇談 への2件のフィードバック

  1. 倉光 のコメント:

    私の全く読まないジャンルの本を紹介して頂きとても面白く思います。私が最近読んだ本は下の憲法関係のほか大脳関係と教育関係があります。その他にも随分変わったジャンルのものも読んでいますが、園子さんと同じジャンルのものがありません。常に5冊以上は平行して読み進めていますが『本は10冊同時に読め!』本を読まない人はサルである!という本も読みました。経営者向きの本で余り役には立たない本でしたが5〜6冊の並列読書で満足していては足りないと、意欲がわいてきました。
    (1)長谷部恭男『憲法と平和を問いなおす』    ちくま新書
    (2)今井 一 『憲法九条国民投票』      集英社新書
    (3)愛敬浩二 『改憲問題』          ちくま新書
    (4)中山 治 『誇りを持って戦争から逃げろ!』 ちくま新書
    (5)伊藤 真 『憲法の力』           集英社新書

  2. breeze のコメント:

    倉光先生。コメントを有難うございます。
    私も本なしでは生きていかれないというほど本好きですけれど、まだまだ、おサルさん的生き方(行き当たりばったりの今が良ければそれで良し)が色濃いですわ。
    「面白なさそうだけど教養のために読んでおこう」ということはないです。全く興味のないのは経営・金儲け・権力がらみの政治に関する本です。好きなミステリーものもそれが絡んでいたら中途で投げ出します。
    面白かったから読んでみたら?と薦められたものは即読みますよ。先生の紹介くださった(1)?(5)は、面白い本ですか?
    (4)の中山 治 『誇りを持って戦争から逃げろ!』 は、面白そうだなと気を引かれたので読んでみます。

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