「森に眠る魚」角田光代著 双葉文庫
東京の文京区の街で出会った5人の母親が、最初は育児を通して仲良くなったけれど、幼稚園と小学校入試戦争に巻き込まれろ。
最初は理想的な育児の情報交換などしながら仲良くなっていたのが、幼稚園選びや小学校受験などを考えていくうち、お互いに競争意識、嫉妬、猜疑、優越感などの感情がうずき、心は離れ離れになってく。
それぞれ自分の心の迷いを何とかしなくてはと思いながら追い詰められていく。
現代に生きる母親たちの深い孤独と痛みをえがきだした長編小説です。
私も孫達の中学受験騒動を目の当たりにしてきたので、他人事とは思えず、学校教育って何なんだろうと考えさせられた本でした。