いのちの優しさ

「いのちの優しさ」高史明著 筑摩書房
高史明氏は1932年生まれの在日朝鮮人2世で貧困と差別の他さまざまな困難の中を生きてこられた作家です。
1975年の愛息の自死には大きな衝撃をうけられ作家活動と平行して多くの中・高等学校で「いのちの尊さ」についての講演をされています。
この本は学校での講演をまとめたものです。
今回この本を再読しこの本で書かれている「知識という名の落とし穴」についてもう一度深く思い知らされました。
<知識の偏重は自己中心主義に偏っていき私利私欲に陥る危険がある。>という警告です。<知識がいのちを軽んじる。>ということです。
私達はネパールの教育の在り方を垣間見てきた結果、高校卒業試験SLCを高得点でPassすることがネパールの貧しい子供達に残された最善であり最短の道であることを確信しました。
そのため貧しい子供達へのスカラシップ制度を作り子供達を見守って2年になりました。
これら奨学生の学力を育てていく時に絶対に忘れてはならない事は、「SLC合格というのは真っ当な人間として生きていく(自他の命を大切にする)ための単なる方便である」ということです。
そのことをを学力と同時にしっかり育てなければならないと教えられました。

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