キリストの棺

キリストの棺 シンハ・ヤコビッチ チャールズ・ベルグリーノ共著 発行:イースト・プレス
イエス・キリストが実在したことを実証したドキュメントである。
どのような方法で実証したかと言うとイエスの墓を探し出し中に葬られていた骨棺のDNA鑑定などして証明している。
イエスの墓にはイエスとヨゼフと二人のマリアとイエスの弟ヤコブという銘のある骨棺があった。
でもイエスもマリアもヨゼフもヤコブも全てありふれた名前で、それだけではそれがキリスト教で信じられている聖家族の墓なのかどうか疑問に思う人は多い。それを膨大な資料を積んでキリストの墓であることを実証しているのである。
私はカトリックの幼児洗礼を受けているのでイエスの存在を疑った事はない。
イエスが「神」なのかそれとも「ただの偉大な人」であったに過ぎないという意見があるであろうことは十分認識しているが、イエスの実在事態を信じない人がいることを知って驚いた。
このドキュメントで「さあ、これでイエスが実存していたことが証明された!」という感動を知らせようとしているのだけれど全くしらけてしまった。でもマグダラのマリアについてはカトリックでは重要視されていないので説得力ある検証を中々興味深く読むことが出来た。
多分イエスの墓は事実であろうと思う。しかし神あるいは聖人と信じられている方の墓を、実在の証のためにこのように不遠慮に墓を暴き得意がっていいものだろうか?
今年は3月23日がイエスが死んで3日目に復活した日を祝うイースターである。
イエスの復活は、肉体的な身体が天に昇っていったのではなく霊の身体であり、肉体(骨)の一部が発見されても聖書に述べられている受難と復活の事実に矛盾するものではなく「世界を震撼させた新発見の全貌」という興奮には全くついていけない本であった。

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