寅さんとイエス

「寅さんとイエス」 米田彰男 著  筑摩選書
寅さんとイエスの組み合わせ。
突拍子もない組み合わせに見えますが、1神父さまによる楽しくも奥深い謎解き物語とも言えます。
著者の職業柄イエスの生涯、聖書に関しては専門的で、ギリシャ語で書かれた聖書の語句の意味まで調べ探り書かれているのは当然としても、「男はつらいよ」の第1作から第48作まで研究し尽くされ、イエスと寅さんを比較しながらの話は、ミーハーの私にも、最後まで飽きさせませんでした。
私は「男はつらいよ」の映画は、高速バスで3本ほど見ただけですが、著者による解説が上手で、マドンナ役の女優さん(浅丘ルリ子、若尾文子、いしだあゆみ、樋口可南子、八千草薫などなどいっぱい)の名前や役柄、映画の内容がありありと想像できて、あたかも全巻みたような気持ちになっています。
<<真の幸福・人生とはなんだろうか?
功利性のみが支配する現代の中で、寅さんとイエスの比較を通して考える。>>
という著者の思いがやわらかく心に伝わりました。
何だか疲れたなあと思うときにパラパラと何度も繰り返して読んでみたい気持ちになる本でした。
『男はつらいよ』は、渥美清主演、山田洋次原作・監督(一部作品除く) のテレビドラマおよび映画である。テキ屋稼業を生業とする「フーテンの寅」こと車寅次郎 が、何かの拍子に故郷の葛飾柴又に戻ってきては何かと大騒動を起こす人情喜劇。1作ごとに叶わぬ恋のマドンナが登場する。

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