目を閉じて心開いて

「目を閉じて心開いて」ほんとうの幸せとは何だろう 三宮麻由子著 岩波ジュニア新書
三宮さんの著書の第3弾です。
少し長くなるけれど前書きから抜粋します。
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 幸福について考えたくなったら、この本を開いて見て欲しい。
 幸福になれる時期は一人一人違うかもしれないけれど、幸福になる力は、すべての人に同じように与えられていると思う。
 この本を読み進むごとに、ぜひ目を閉じて、静寂のうちにあなたの魂と対話してほしい。清純な思考は汚れを寄せつけず、揺るぎない確信へと進化していくからだ。
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数々の感動のエピソードが語られている中で、彼女を育んできたものは読書であるとおっしゃっている。シーンレスの彼女はどのように読書に親しんでこられたのか。
読書好きの私にとって、とても気になる課題だった。
最初に読み果たした長篇は、大学入試とともに開いたモンテーニュの「随想録」だと言う。それは何と点字にして14冊。4年かけてゆっくり読みそのあとフランス語での原書をフランス点字図書館から取り寄せて読まれたという。
そのあと「アラビアン・ナイト」の本点字にして99冊よんで感動されたという。この本は、三重県の図書館に、地域の点字サークルの人たちが、1点1点手で打ち込んで作った本あると聞いて貸し出しをお願いされて2冊づつ借りながら読まれたという。
「本は点字やテープでたくさん読めるけれど、一度でいいから漫画をよんでみたいな」とつぶやいたら、友達が「よっしゃ」と朗読を請け負ってくれて、池田理代子さんの「ベルサイユのばら」を全編読んでくれたという。3ヶ月かけて、120分のカセットテープ10本。この膨大な漫画を何十時間もかけて自分のために割いてくれた友人に手放しで心から感謝したとのこと。
凄すぎる!彼女を取り巻く愛。それに応える麻由子さん。そこには双方の幸福が満ち溢れている。
シーンレスの彼女は、私のようにざ~と斜め読みとかされないし、本も厳選されたものであり、それこそ一字一句丁寧に集中して読むということになる。そこで本の中の世界を脳裏に創造して遊ぶといわれる。
シーンレスの麻由子さんから、この本を通して、闇に光る清純な幸福の世界を教えてもらって心から感動を覚えたのでした。

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