ナイチンゲールの沈黙

「ナイチンゲールの沈黙」海堂尊著 宝島社文庫
舞台は海堂尊おなじみの東城大学医学部付属病院での事件である。
粗筋は、案内役もおなじみの、不定愁訴外来の医師、田口公平講師で、今回は、小児科病棟の看護師浜田小夜と、彼女が担当する悪性腫瘍レティノブラストーマ(網膜芽腫)で眼球摘出手術を待つ五歳の佐々木あつし君と14歳の牧村瑞人君という少年をとりまいて起こる殺人事件である。殺されたのは、瑞人君が殺してしまいたいと憎む人間失格の父親である。
浜田小夜には不思議な歌唱能力があり、それが事件には直関係していないまでも重要な読みどころになっている。
音楽は、聴く人の脳裏に色や景色などを浮き上がらせるという現象があるそうで、小夜にはその能力があり、その歌声を聴いて癒やされる子どもが今から手術で視覚を失うという設定が、最近続けて接したシーンレスの三宮麻由子さんの世界とクロスオーバーして興味深く読み進んだ。
この本は読み始めてすぐ、これは読んだことがあると思い本棚を調べたけれど置いていない。図書館で借りたのかなと思うのだけれど、読んだことがあるといっても、話の先は見えない。最期はそうそうこのように終わると思いながら読み終えたという不思議な本との出会いだった。
そんなわけで、ドキドキ感を全く感じられなかったにもかかわらず、最期まで引き込まれて読んだと言う不思議な本でした。

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