人生を幸福で満たす20の方法

「人生を幸福で満たす20の方法」三宮麻由子著 NHK出版 生活人新書
再び三宮麻由子さんの書です。
著者の三宮さんは、4歳の時視力を失い、その後何年も続く混乱時代の中から希望を見出し、前向きに幸福感を持ちながら生き抜いてこられました。

今は外資系通信社で報道翻訳の仕事をもち、優れたエッセイストとして活躍されています。
エッセイは、シーンレス(全盲)という特殊な境遇から生み出されたのでしょうが、私には、1人の困難を乗り越えた普通の人間として、困難を抱えるすべての人に向かって書かれた書物であると感じました。
彼女が体験された困難や乗り越えられた気力には、ただただ頭が下がるばかりですが、私をとりまく困難と思っていた出来事は、実にささいなことであり、思わず生活を見直そうという気持ちにさせられました。
「人生を幸福に満たす20の方法」という提言を大きく①空虚な日々を楽しむ方法②絶望の日々を生き抜くために③幸福力アップの秘訣という3つにわけて、ご自分の体験にあわせて分かりやすく書かれています。説得力があります。
20の方法の根底にあるのは、幸福は自分に与えられる喜びではなく、人のために役に立つ喜び<他利>の中にあるという気持ちです。
自分に課せられた困難は修練ではなく、神から与えられた「特色」ではないでしょうかという言葉にも納得させられました。
この本は本棚の目立つところに置いておかなくてはと思いました。

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