「聖イグナチオ・デ・ロヨラ」16世紀の偉大な巡礼者 中川浪子著
世界最大のカトリック教育修道会であろうイエズス会の創立者イグナチオ・デ・ロヨラの伝記である。
日本ではイエズス会が運営する教育施設として上智大学・栄光学院中高・六甲学院中高・広島学院中高などが有名である。
私個人としてはそれらの学校施設やそこに所属しておられる神父様たちとの交流があり、イエズス会のカラーに馴染んではいましたが、創立者のイグナチオ・デ・ロヨラについてはよく知らなかったので読んでみたいと思った。
ラリグランス・クラブ発足の一つの要因にもなったポカラでの大木章次郎神父様、カトマンズのセントザビエル校のジェームス・ブリット神父様、私が所属する六甲教会の神父様方、日本にキリスト教をもたらしたフランシスコ・ザビエル、それぞれイエズス会士として共通がおありのような、まったくないような、、。
新ポカラの会の代表倉光先生が長年広島学院で教鞭をとっておられたこと、夫が六甲学院卒業生であること、孫が六甲学院に入学したことなども、創立者のことをよく知りたいと思ったきっかけである。
さて読後感ですが非常に感銘を受けました。
イグナチオ・デ・ロヨラは1491年にスペイン北東バスク地方の、サンチャゴ・デ・コンポステラ巡礼路に近いロヨラ城の1子として生まれた。彼の生涯は、まあ、俗な言い方をすればブッダの生涯と似たところがありましょうか。
イグナチオの時代はカトリックは頽廃し、ルッターたちの宗教改革を叫ぶグループの勃発、真のカトリックに立ち返ろうというイグナチオ達(フランシスコ・ザビエルも)、他方ではコロンブスの新大陸発見、南アメリカへの宣教と言う名の侵略、レオナルド・ダビンチもその時代、その後ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂。
その頃日本は戦国時代で信長→秀吉→家康。キリシタン迫害。
私の本棚で紹介した、「クワトロラガッツイ(天正遣欧少年使節の話)」や「大聖堂」などの物語とクロスオーバーして、ロヨラの伝記ということを遥かに上回る感動をうけた書物でした。
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