〔神父と頭蓋骨〕アミール・D・アクゼル著 林大訳 早川書房
キリスト教では、人間は神が創造されたアダムとエヴァから始まると教えている。
今の時代、粘土細工でお人形を作るように神様がヒトを造られたと信じている信徒はいないであろう。
しかし、聖書に書かれているお話はすべて比喩により書かれた真実であり矛盾はない。とキリスト信徒の私は信じている。
この本は、一流の古生物学者、地質学者にして、類まれなる敬虔なイエズス会士であったピエール・ティアール・ド・シャルダン神父(1881?1955)の、伝記である。
彼は、科学と信仰を融合させた独自の理論を展開した偉人であるが、ダーウィンの進化論を支持したとしてイエズス会本部はもとよりバチカンからもかってガリレオが弾圧されたように異端者として無視され異郷中国に流される。それでも神父は信念をもって信仰を貫き、科学と宗教を統合しようと多くの論文を書き、イエズス会からは発表を禁止されても奮闘を止めることはなかった。
幸運にもティアールは流された中国で、北京原人の頭蓋骨を掘り出す大発見に立ち会う。
第二次世界大戦中のことで、その頭蓋骨の保存場所についても混乱が起きる。日本?中国?アメリカ?
救い主キリストの誕生を祝うクリスマスが目前にせまっています。
この日のミサでヨハネによる福音を朗読されることが多い。
<はじめに御言葉があった。御言葉は神とともにあった。御言葉は神であった。万物は言葉によって造られた。造られたもののうちに、ひとつとして言葉によらずに造られたものはない。・・・・>
いつピテカントロプスやホモ・サピエンスは、現世人類に変わったのでしょうか?
いつ私たち人類は、言語、芸術、文学、科学などの能力をもつ生き物に変わったのでしょうか?
ズルズル徐々に進化してきたのでしょうか?
この時期に、この本を読んでとても感銘を受けました。
物語が壮大で上手に本の紹介が出来ませんが、キリスト信徒にとって考えさせられることが多い良書です。
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