蛍草

「蛍草  葉室 麟 著」

葉室麟という作家のことは全く知らなかった。歴史・時代小説のジャンルで数多くの賞も受けておられたようです。入院時に友人が差し入れてくれました。時代小説にはあまり興味をもっていなかったのですが、何のなんの面白く一気に読みました。

主人公は16歳の少女菜々。敵討ちが容認されていた江戸時代。藩士の家に生まれたが、父親は切腹を命じられ祖父母、母と死に別れ行き場を失ってしまう。しかし縁あって鏑木藩の上士・風早市之進の家で女中奉公と

して働き出す。将来を嘱望されている市之進と優しい妻の佐知、4歳の正助と3歳のとよに暖かく迎えられ穏やかな日々を過ごしていた。

しかしその幸せな日々は続かなかった。

優しい佐知は病に倒れ亡くなり、正義感の強い市之介は汚れた藩不正を正そうと水面下で働いていたが、悪徳藩士の悪巧みにかかり、お上からお咎めを受け江戸詰めとなり屋敷も取り去られてしまう。菜々は幼い正助ととよを野菜を行商しながら守る。ある時、市之進を追いやった悪藩士の中に、菜々の父を追いつめた敵(かたき)のお抱え藩士をみいだす。

菜々は敵を打つための厳しい武術修行に励み幼い子どもを守るための過酷な生活を、人情あふれる下町の人々に助けられ、明るく前向きな生活を続ける。

江戸時代の地方藩主の生活や人情あふれる下町の人々の様子が生き生きと綴られている。

過酷な生活を明るく乗り越えていく菜々が心につぶやいた「偶然ではなく天の配剤目には見えない大きな存在に守られ生かされている」の言葉を読んだとき、その言葉が私の胸に衝撃的に響いた。

葉室麟の他の小説も読みたくなった。

 

 

カテゴリー: 未分類 パーマリンク

蛍草 への2件のフィードバック

  1. 芹田健太郎 のコメント:

    葉室麟は『曙光を旅する』(朝日新聞出版、2018)がお薦めです。彼の歴史観が分かるもので、朝日新聞の西部本社(九州)版に連載されていたものです。僕など「蜩ノ記」でしたか、テレビ化されていたのを観ていました。

    • Breeze Breeze のコメント:

      芹田様
      コメントをありがとうございます。
      「曙光を旅する」を読んでみます。
      蛍草もテレビドラマ化され来週の土曜日からNHKで放映されるようです。
      映像を先に見て本を読むと俳優がチラチラします。本を読んでから映像を観ると予想と違って面白くなるときと腹が立つときがありますね。
      ドラマ化された蛍草を楽しみしています。

芹田健太郎 にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です