津村節子の小説には、ひたむきにしたたかに生きる女性の姿が描かれていることが多い。
いずれにも困難を乗り越えて淡々と生きぬく女性の姿がある。
「光る海」には、そんな10の短編小説が収まっている。
どれも「死」が人生の重要な転機となっているようだ。
長年、家族のために一心に生きてきた雪江は、夫の死によって初めて自分の自由な時間を持つことが出来、74歳になって家族に気兼ねなく自分のしたい行動を起こし、<光る海>の輝きと幸せを感じ取る。
片や私は、家族のために奉仕(?)をする専業主婦であったけれど、自分の自由な時間をもち自分がしたいことをしてきたので、たとえ夫が死んでも、雪江のように<光る海>のようなきらめく光を全身に受け止め感動することは残念ながらないでしょう。
かといって<暗い海>に沈みこむことも絶対考えられないけど、、。
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