「ジーン・ワルツ 」 海堂 尊 著 新潮文庫
内容は本のカバーに書かれた案内をそのまま写させて頂きます。
「帝華大学医学部の曽根崎理恵助教は、顕微鏡下体受精のエキスパート。彼女の上司である清川吾郎准教授も彼女の才能を認めていた。理恵は、大学での研究のほか、閉院間近のマリアクリニックで5人の妊婦を診ている。年齢も境遇も異なる女達は、それぞれに深刻な事情を抱えていた・・・。
生命の意味と尊厳、そして代理母出産という人類最大の難問に挑む、新世紀の医学エンターテインメント。」
海堂尊の本は以前「極北クレイマー」を2009年7月に紹介して以来です。彼が取り組むテーマには、各著作の医療現場と微妙にシンクロしていると聞いていたのでその点も楽しみに読みました。
望んでないのに妊娠して中絶を求める患者、胎児が奇形とわかった妊婦、どうしても子どもが欲しいと願う患者、代理母出産の是非など、理恵医師の意見と対応には考えされられました。
最近、不妊症の人が増えているとか、異常出産が増えているとかいう話を聞いたことがありますが、私個人としては、人間の命の誕生を神秘的にみるというか、神様からの授かり物と考えるところがあって、体外受精や代理母のように、人間の手でもって人の生命を左右させる考えには拒絶反応が起こります。
来月出産を控えている身内がいるので、生命の誕生の不思議と命の重みをことさら感じさせてくれた良書でした。
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