大聖堂

大聖堂」ケン・フォレット著 矢野浩三郎訳 ソフトバンク文庫(上中下)                           
ヨーロッパに行っていくつもの大聖堂を眺めたことがあります。
空に高くそびゆる塔、美しいステンドグラス。金色に輝く祭壇。そこには日本人の私には及びもつかない深い神への信仰と憧憬の息吹を感じて感銘を受けたものでした。
ところが、この「大聖堂」を読んで、なんとまあ、うわべだけを見ていたことかと己の無知を恥じました。
大聖堂の建立に欠かせない権力の闘争、建設に携わる技師達の困難とプライドに思いを馳せて再度大聖堂に身を置きたいと思いました。
時は1120年イングランド。国王ヘンリー1世が死に、世継ぎを乗せた船ホワイトシップが難破し海に沈む。それは仕組まれたものでただ1人の生存者は拷問を受け殺される。遺された懐妊していた妻エリンの呪いの言葉で物語が始まる。王位継承を巡る醜い争い。カトリック修道院の権力争いも絡む無政府時代の幕開けである。
虐殺や裏切りが渦巻く世の中、神の宿る大聖堂を夢見る純粋なフランシスコ会のフリップ修道士と建築技師のトム・ビルダーの生涯を中心に据えて広がる大スペクタルです。
分厚い文庫本三冊。粗筋は膨大で私の筆力では書けないので、朝日新聞に載ったソフトバンク社の宣伝から抜粋させていただきますと、、、
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何時かこの手で大聖堂を建てたいーー果てしない夢を抱き、放浪の旅を続ける建築職人のトム。キングスブリッジ修道院分室長との出会いにより、彼の人生は大きな転機を迎える。建築職人の愛と情熱、教会と国王の権力争いなど、12世紀のイングランドを舞台に繰り広げられる波乱万丈の物語。
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と言う本です。
ドキドキハラハラ読み応えのある書物でした。
テレビドラマ化され、今NHKハイビジョンで毎週土曜日夜10時から放映しています。
見ごたえありますが、簡略化されていて本を読んでいないと内容が理解できないのじゃないかと思いますので是非本を読んでから見て楽しんでください。

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