「羅生門」 芥川龍之介 著
孫の夏休み宿題が[芥川龍之介の「羅生門」を読んでレポートを書く]というのに誘発されて私も読んでみました。
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時は平安京のころ。京の町はボロボロに荒れていて、職を失った1人の下人があてもなく羅生門にやってくる。このままでは餓死するだけだ。生きるためには盗人になるしかないが、その勇気がない。雨が降り始め雨宿りのつもりで、楼閣に上ったところ、1人の老婆が死人から髪の毛を盗んでいた。何と言うあさましいことと、老婆を切り捨てようとしたところ、老婆は生きるためにはいかし仕方ないことと、命乞いする。下人はそれもそうだと納得し生きるために盗人になる勇気が起こり、老婆の着物を剥ぎ取り去ってゆく。
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芥川龍之介は今昔物語集から題材をもらったと聞いていたので、「今昔物語集の世界」小峯和明著も合わせて読んでみました。平安京の庶民の生活がリアルにわかり、さらに面白く読めました。
羅生門は現存していないのですが、京都文化博物館にあるという模型の写真や、「今昔物語集の世界」に載っていた平安京の地図を見ながら読むとますます人々の生活をイメージでき楽しみました。
芥川龍之介は大正4年に書いていますが、今昔物語集が書かれた時代に、髪の毛か着物かどちらが高く売れたものでしょうか?現代では餓死しないために着物を売る髪の毛を売るという思考は通用しないでしょうね。餓死しないためではなく小遣いを得たいために着物を売り髪の毛を売るという人はいますが。
著者は着物か髪の毛かと言う問題より、生きるためには悪行をしていいものだろうか?という問題提議をしたと思われるのですが、孫が髪の毛と着物にこだわるので、私もつられてネットで調べたりしてけっこうのめり込みました。
ちなみにネットで、髪の毛を70センチ3万円で売買という記事や、2004年中国の業者が髪の毛を醤油の原料につかって衛生法に触れ摘発されたとかいう記事もあり、新しい知識を得て面白かったです。
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