ぼくの命は言葉とともにある

「ぼくの命は言葉とともにある」福島智 著

6月9日に「ゆびさきの宇宙」を紹介しましたが、今回は福島智さん自身最新の著書です。

福島さんは9歳で失明18歳で聴力も失った盲ろうの方で、現在は東京大学先端科学技術研究センターの教授をされています。

盲ろうの方の世界は、見えない聞こえないという暗闇で静寂そのものの世界です。それは何光年も地球から離れた宇宙の中に一人で漂う世界と彼は云います。

「指先の宇宙で紡ぎだされた言葉で、本書を綴りました。たとえ僅かでも、その言葉がみなさんにとって生きるうえでの力になれば幸いです。」とあとがきで書かれています。

本当に感動しました。たしかに生きる上での力となりました。

珠玉の言葉で綴られていますが幾つか紹介します。
*絶望と苦悩は同じではありません。苦悩は絶望とは違って、苦悩には意味があります。これは自分の将来を光らせるために必要なものなんだ。
*盲ろうとなった自分に生きる意味ってあるのだろうか。このしんどさには意味があるはずで、自己崩壊から逃れるために「意味」を見出すことが救いになり希望になる。
*命って?吉野弘の詩から
 「生命は/ 自分自身だけでは完結できないように/つくられているらしい/花も/ めしべとおしべが揃っているだけでは/ 不十分で/ 虫や風がおとずれて/ めしべとおしべの仲立ちをする、、、、
*生きるためには めしべとおしべに仲立ちが必要なように、コミュニケーションがなくてはならない。人間(福島智)にとって、それは言葉でつながるコミュニケーション。

図書館で借りたのだけれど買って手元に置かなくちゃと思いました。

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